面取り(C)かフィレット(R)か - 加工コストを下げるエッジ処理の技術

外形面取り(C)、内側フィレット(R)、応力集中防止、加工費削減設計法

面取り(C)とフィレット(R)の選択は、JIS B 0001(製図ルール)とJIS B 0405(普通公差)に表記法は載っているが、コスト面で本質的に重要なのは「工具がどう動くか」だ。汎用CNC加工の見積もりでは、外形のRと外形のCで価格が倍程度違うことが珍しくなく、外形Rの乱用がコスト悪化の典型要因になる。

外形は C、内側は R(黄金律)

  • 外形のC:面取りカッターまたはエンドミル1パスで完了。C0.5〜C1.0で十分。
  • 外形のR:コーナーラウンディングカッターか、ボールエンドミルで3D加工。工程・時間ともに2倍以上。
  • 内側コーナー:エンドミルが円筒回転体である以上、直角は不可能。R必須。

内Rは「エンドミル半径より少し大きく」

例:φ10エンドミルで加工するなら R5.5 程度。R5ピッタリはコーナーで工具がびびり、面粗さが悪化する。精密加工で Ra0.4 を要求する場面では、内R = エンドミル半径×1.1 程度が安定する経験則だ。

応力集中を避けるR

繰り返し荷重を受ける段差部(軸の段差、フランジ付け根)には必ずR。直角Cやノッチは応力集中係数が3〜4倍に跳ね上がる。JIS B 8265(圧力容器)やJIS B 1051(高強度ボルト)では段差部のR最小値が決められている。

組立ガイド・干渉回避

  • ボルト穴・シャフト端:大きめのC(C1〜C2)で挿入を容易に。
  • 相手部品の内Rに対しては、嵌合部に「より大きなC」を入れて干渉回避するのが日本の機械工学定石。
💡 コスト設計の指針
全エッジに「R3」が入った図面は、加工側から見れば見積もりが膨らみやすい構成だ。外形はC、内側はR——この原則を守るだけで加工コストは大幅に下がる。図面レビュー時にまずチェックすべきは外形Rの乱用だ。
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