円すいころ軸受 規格表
円すいころにより、ラジアルとアキシアル方向の複合荷重を支持します。自動車ハブ・変速機・工作機械主軸に使用されます。
実務上の注意点
- 内輪(コーン)と外輪(カップ)が分離します。運搬・保管時にセットを混ぜないでください。異なるセットの内外輪を組み合わせると予圧が狂います。
- 予圧調整時は手で軸を回転させながらダイヤルゲージで軸方向すきまを測定してください。過大な予圧は発熱と寿命短縮を招きます。
選定ガイド
ラジアル+一方向アキシアルの複合荷重を支持します。自動車ハブ、減速機、工作機械に使用されます。内輪(コーン)と外輪(カップ)が分離可能で、個別取付と予圧調整が可能です。双方向アキシアル荷重にはバックトゥバックまたはタンデム配列が必要です。
Taper Roller Bearing
JISISODINABMATaper Roller Bearing
7 sizes以下の寸法は JIS B 1512 · ISO 355 · JIS B 1534 · DIN 720 · ABMA Std 19 で同一です。
| Nominal | d | D | E | C | T | α | r1 | r2 | r3 | r4 | r5 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 30202 | 15 | 35 | 28.5 | 10 | 11.75 | 12.957° | 1 | 1 | 0.6 | 0.6 | 0.6 |
| 30203 | 17 | 40 | 32.5 | 11 | 13.25 | 12.957° | 1 | 1 | 0.6 | 0.6 | 0.6 |
| 30204 | 20 | 47 | 39 | 12 | 15.25 | 12.957° | 1.5 | 1.5 | 0.6 | 0.6 | 0.6 |
| 30205 | 25 | 52 | 44 | 13 | 16.25 | 14.036° | 1.5 | 1.5 | 0.6 | 0.6 | 0.6 |
| 30206 | 30 | 62 | 53 | 14 | 17.25 | 14.036° | 1.5 | 1.5 | 0.6 | 0.6 | 0.6 |
| 30207 | 35 | 72 | 62 | 15 | 18.25 | 14.036° | 2 | 1.5 | 0.8 | 0.8 | 0.8 |
| 30208 | 40 | 80 | 69 | 16 | 19.75 | 14.036° | 2 | 1.5 | 0.8 | 0.8 | 0.8 |
主な特長
- テーパーローラーが線接触し大型ラジアル+スラスト複合荷重を支持
- 内輪(コーン)・外輪(カップ)分離型で個別装着・予圧調整可能
- 30200〜33200シリーズ、接触角(10°〜30°)により軸方向荷重比変動
主な適用分野
自動車ハブ、減速機出力軸、クレーン旋回部、工作機械スピンドル、圧延ロールネック
詳細ガイド
予圧 vs エンドプレイ — 負・ゼロ・正のすきまをいつ設定するか
円すいころ軸受は組立時の軸方向位置で内部すきまが決まるため、同じ軸受でも設定次第で性格がまったく変わります。正のすきま(エンドプレイ)は摩擦と発熱が小さく、高速で回る一般の回転軸に適します。逆に予圧(負のすきま)は剛性を高めてランアウト・騒音を抑えるため、工作機械の主軸や減速機のピニオンに使いますが、発熱の増加と寿命の低下を受け入れる必要があります。自動車のホイールハブのように衝撃や傾きを受ける箇所は、ゼロ〜わずかな正のエンドプレイで取ります。つまり予圧は常に良いのではなく、寿命と剛性を引き換えにする選択です。
対向配列 — 背面組合せ(O・DB)と正面組合せ(X・DF)、そして熱膨張
2個の円すいころ軸受を向かい合わせて使うとき、配列が剛性と熱挙動を左右します。背面組合せ(O配列、DB)は2軸受の有効作用点の間隔が広く、モーメント・傾き剛性が大きいため、ホイールハブやピニオンのように曲げを受ける軸に使います。正面組合せ(X配列、DF)は作用点の間隔が狭く、ミスアライメントの許容が大きく調整が容易です。決定的な違いは熱膨張です — 軸が加熱して伸びると、DBは予圧が増加して過予圧・焼付きの危険が高まり、DFは予圧が減少します。したがって運転中に軸温が高く上がる箇所にはDFが安全です。
接触角と30200・30300系列 — 誘起アキシアル荷重の計算
円すいころ軸受は接触角が大きいほどアキシアル負荷能力が大きくなります。30300・32000系列は接触角が大きくアキシアル荷重主体に、30200系列は接触角が小さくラジアル主体に適します。カタログにはe値とY係数があり、ラジアル荷重に対するアキシアル荷重比Fa/Frがeを超えると、アキシアル荷重を等価荷重計算に別途反映します。また円すいころ軸受はラジアル荷重を受けるだけで一方向にアキシアル力を自ら生み(誘起アキシアル荷重)、向かい合う一対では一方が生むFa ≈ 0.5・Fr/Yを他方が受けます。したがって軸受は常に一対として見て、両側の誘起アキシアル荷重を一緒に計算します。
カップ・コーンの互換性とメートル系(30205)対インチ系(LM/JLM、Timken)品番
円すいころ軸受は外輪(カップ)と内輪(コーン)が分離しますが、どのカップとコーンでも組み合わせられるわけではありません。メートル系30205(ISO・JIS)とインチ系LM・JLM(Timken)は寸法も品番体系もまったく異なるため、片方の系列のカップ(例:LM12710)と別系列のコーンを交差させて組むと接触が合いません。正規の一対はカップとコーンがセットとして対になっているので、代替発注の際はカップ・コーンの単品番号をそれぞれ確認し、メーカーの互換表で対を合わせます。運搬・保管中に別のセットが混ざると予圧が狂うため、セット単位で管理します。
取付け — 回転輪のしまりばめ・内輪の加熱、そして円すいのポンプ作用潤滑
回転する輪(通常は内輪)はしまりばめ(k5・m6など)で、静止する輪はわずかにゆるく入れます — 回転輪がゆるいとはめ合い面が滑ってクリープ摩耗が生じます。内輪は無理に叩き込まず、80〜120°Cに加熱するか直角に均一に圧入して取り付けます。予圧はロックナットのトルクで決めてはいけません — トルクと予圧は非線形なので、手で軸を回しながらダイヤルゲージで軸方向すきまを測定し目標値に合わせます。また円すいころは回転しながら潤滑油を大径側へ押し出すポンプ作用をするため、油がその流れに乗って循環・補給されるよう油路と油面を設計します。
よくある質問
テーパーベアリングの予圧はどのように調整しますか?
シムまたはロックナットの締め量で調整します。マイクロメーターやダイヤルゲージで軸方向隙間を測定しながら目標予圧を設定します。過度の予圧は発熱と寿命短縮を引き起こします。