皿ボルト 規格表
円錐形の頭部が表面と面一になる皿ボルトです。突起が許容されないカバーやパネルに使用されます。
実務上の注意点
- カウンターシンク角度とボルト頭部の角度が不一致だとボルトが傾いて座ります。90°が標準ですが120°もあるので必ず確認してください。
- フラッシュマウントのためキャップスクリューに比べ締付力が低下します。高引張荷重の箇所には使用を避けてください。
選定ガイド
締結面が完全に平坦でなければならない箇所に使用します — カバー、パネル、航空機外板など。カウンターシンク加工が必要で、頭部角度(通常90°)とカウンターシンク角度が一致しなければなりません。くさび効果により締付力が分散されるため、同サイズのキャップスクリューより引張容量が低くなります。
Countersunk Bolt
ISOJISDINCountersunk Bolt
8 sizes以下の寸法は ISO 10642 · JIS B 1194 · DIN 7991 で同一です。
| Nominal | d | P | dk (Head Dia) | k (Head H.) | s (Wrench) |
|---|---|---|---|---|---|
| M3 | 3 | 0.5 | 6.72 | 1.86 | 2 |
| M4 | 4 | 0.7 | 8.96 | 2.48 | 2.5 |
| M5 | 5 | 0.8 | 11.2 | 3.1 | 3 |
| M6 | 6 | 1 | 13.44 | 3.72 | 4 |
| M8 | 8 | 1.25 | 17.92 | 4.96 | 5 |
| M10 | 10 | 1.5 | 22.4 | 6.2 | 6 |
| M12 | 12 | 1.75 | 26.88 | 7.44 | 8 |
| M16 | 16 | 2 | 33.6 | 8.8 | 10 |
主な特長
- 90°円錐ヘッドで締結面と完全にフラット仕上げ可能
- フィリップスまたはヘックスソケット駆動選択、カウンターシンク加工必須
- ステンレス(A2/A4)およびニッケルメッキで外装部品に最適
主な適用分野
航空機外板、電子機器ケース、家具ヒンジ、医療機器カバー、建築トリム
詳細ガイド
90°(ISO 10642・DIN 7991・JIS)vs 82°(ANSI インチ)の頭部角度 — 購入・置換の落とし穴
メートル系の皿ボルトは頭部角度が90°(ISO 10642・DIN 7991・JIS B 1194)、インチ系の六角穴付き皿(ANSI B18.3)は82°です。航空用には100°・120°もあります。図面がインチ1/4"-20の皿頭なのに近いM6に置き換えると、頭部角度も頭部径も頭部高さも違い、皿座ぐりに正しく座りません。皿頭は頭部径がおおよそ2d、頭部高さが約0.5dと浅いため、皿座ぐりの角度が頭部角度と一致しないと縁で線接触して振れ、フラッシュにもなりません。購入・置換の前に頭部角度の系列を必ず確認します。
引張りの弱さを定量化 — 頭部高さ0.5d、キャップボルト(1d)のような高予圧は禁物
皿の六角穴付き頭は高さが約0.5dで、六角穴付きキャップボルトの約1.0dに対し、頭と頭下の肉が半分程度です。そのため引張荷重を受けると頭が引きちぎれる(プルオフ)、またはくさび効果で頭が割れる(スプリッティング)危険が大きくなります。メーカーカタログも皿頭の引張定格を同サイズのキャップボルトと同等とは認めていません。したがって皿頭はせん断や軽いクランプ用途に使い、高い予圧が必要な引張継手には六角穴付きキャップボルトに置き換えます。平らな面が必須でかつ強度も要るなら、座ぐり+キャップボルトを検討します。
正のストッパがない — 締めすぎで材料が沈み込み・割れる
六角穴付きキャップボルトは座ぐり底やフランジが正のハードストップになり一定の所で締付けが止まりますが、皿頭は円すいが皿座ぐりに沿って沈み続けるため正のストッパがありません。締めるほど頭が深く入り込み、特に脆性材(プラスチック)や薄板では母材が沈み込んだり、割れ・コールドフロー(時間とともに変形が進む)が生じます。必ずトルクを管理し、プラスチックには皿を直接ねじ込まず金属インサートやボスで荷重を分散します。円すいの角度が鋭い(82°)ほどくさび力が大きく、沈み込みの危険が増します。
駆動部 — プラス(十字)のカムアウト vs 六角穴/TORX、ステンレスのかじり
皿頭をフラッシュに強く締めるとき、プラス(十字)駆動はビットが浮くカムアウトが起き、頭の溝が摩耗してフルトルクを伝えられません。高トルクや電動ドライバ締結には六角穴やTORX駆動が定石です。またステンレス皿頭(A2・A4)は円すい面の接触面積が広く摩擦熱が大きいうえ、ステンレス同士が触れるとかじり(凝着)が起きやすく、締めている途中で永久に固着することがあります — ねじ部と円すい面に焼付き防止剤(アンチシーズ)を塗るか、低速でゆっくり締めます。
頭下のフィレット・穴縁のバリ干渉 → フラッシュ不良
頭部角度と皿座ぐり角度が合っていても、フラッシュにならないことがあります。頭下(アンダーヘッド)のフィレット半径が、皿座ぐりと通し穴が交わる縁と干渉すると頭が最後まで下がらず、穴縁に加工バリが残っていると頭がそのバリに乗って浮きます。そこで皿座ぐり径を頭部径より少し大きくしてフィレットが当たらないようにするか、交差部を軽く面取りし、皿座ぐり・通し穴の加工後は必ずバリを除去します。フラッシュ不良の原因を角度だけのせいにせず、フィレット・バリの干渉も点検します。
よくある質問
皿頭ボルトのカウンターシンク角度は?
90°が標準ですが、120°(航空用)規格もあります。ボルト頭の角度とカウンターシンク角度が一致する必要があります。購入前に必ず確認してください。