配管用炭素鋼鋼管 規格表
水・蒸気・空気・ガス配管に使用される汎用炭素鋼配管です。KS D 3507(SGP)およびKS D 3562規格に準拠します。
実務上の注意点
- Sch(スケジュール)番号で肉厚を選択します。Sch 40が基本で、高圧にはSch 80を使用します。
- 黒管(無めっき)は屋内・埋設用、白管(溶融亜鉛めっき)は屋外・露出配管に使用します。用途に合っためっき処理を選択してください。
選定ガイド
水・蒸気・空気・ガス配管の汎用炭素鋼管です。スケジュール番号(Sch)で肉厚を選択し、Sch 40が標準です。黒管(無メッキ)は屋内・埋設用、白管(溶融亜鉛メッキ)は屋外・露出配管に使用します。耐食性が必要な場合はステンレス鋼管を検討してください。
Carbon Steel Pipe
KSJISCarbon Steel Pipe
11 sizes以下の寸法は KS D 3507 · JIS G 3452 で同一です。
| Nominal | D | t | d | Weight | Standard |
|---|---|---|---|---|---|
| 15A | 21.7 | 2.8 | 16.1 | 1.31 | KS D 3507 |
| 20A | 27.2 | 2.8 | 21.6 | 1.68 | KS D 3507 |
| 25A | 34 | 3.2 | 27.6 | 2.43 | KS D 3507 |
| 32A | 42.7 | 3.5 | 35.7 | 3.38 | KS D 3507 |
| 40A | 48.6 | 3.5 | 41.6 | 3.89 | KS D 3507 |
| 50A | 60.5 | 3.8 | 52.9 | 5.31 | KS D 3507 |
| 65A | 76.3 | 4.2 | 67.9 | 7.47 | KS D 3507 |
| 80A | 89.1 | 4.2 | 80.7 | 8.79 | KS D 3507 |
| 100A | 114.3 | 4.5 | 105.3 | 12.2 | KS D 3507 |
| 125A | 139.8 | 4.5 | 130.8 | 15 | KS D 3507 |
| 150A | 165.2 | 5 | 155.2 | 19.8 | KS D 3507 |
主な特長
- KS D 3507 (SPP) / ASTM A53、呼称径 A(6A〜500A)または B(1/8"〜20")体系
- Sch 10/20/40/80/160番号で壁厚等級化、Sch 40が汎用基本
- 黒管(無メッキ)・白管(溶融亜鉛メッキ)区分、用途別耐食等級選択
主な適用分野
建築給水・排水、消火スプリンクラー、蒸気配管、プラントユーティリティ、空調冷温水
詳細ガイド
呼び径(NPS・A)は外径でも内径でもない — 最も多い寸法の誤り
鋼管の呼び径(NPS、またはA表記)は外径や内径の実測値ではなく、ただの名札です。例えば1/2"(15A)鋼管の実際の外径は21.3mmで、内径は肉厚(Sch)でさらに変わります。要は同じ呼び径なら、Schが変わっても外径は一定で内径だけが変わるということです — これにより同じ呼びの継手・フランジが肉厚に関係なく合います。またNPS 12"までは実外径が呼び(インチ)より大きいのに対し、14"以上では外径=呼び(インチ)になります。したがって外径が必要なときは呼びをそのままmmとせず、規格の外径表を見ます。
SGP(KS D 3507)vs STPG(KS D 3562)— 圧力配管にSGPを使ってはいけない理由
外径体系が同じで見た目では区別できませんが、保証特性はまったく異なります。SGP(SPP、配管用炭素鋼鋼管)は約1MPa以下の低圧一般配管 — 水・空気・低圧蒸気 — 用で、引張りや水圧試験の保証水準が低めです。一方、圧力・高温ラインにはSTPG370・STPG410(圧力配管用炭素鋼鋼管)を使い、こちらは強度・試験が保証されます。高圧蒸気・ボイラ・油圧のように圧力がかかる所に、見た目が同じだからとSGPを使うのは規格違反であり破裂の危険です。発注・施工の前にラインの圧力・温度をまず確認し、SGP/STPGを切り分けます。
黒管 vs 白管、そして白管溶接時の亜鉛ヒューム(有毒)・気孔に注意
黒管(めっきなし)は腐食を抑えた屋内・塗装・埋設配管に、白管(溶融亜鉛めっき)は屋外・露出・湿潤環境に使います。決定的な注意は白管の溶接です — めっきの上から溶接すると亜鉛が蒸発して白い煙が出て、これを吸うと悪寒・発熱を起こす金属熱(metal fume fever)になり、溶接部に亜鉛が入り込んで気孔・割れが生じます。したがって白管は溶接する開先のめっきをあらかじめ削り取り、十分に換気し、溶接後は損傷しためっきをジンクリッチ塗料で補修します。可能なら白管は溶接よりねじ・フランジ・グルーブカップリングで継ぐほうが安全です。
ねじ込み式 vs 溶接式の接続 — 呼びごとの限界と漏れの落とし穴
小口径(おおよそ50A以下)はテーパねじ(PT・NPT)とソケットで継ぐのが一般的ですが、65A以上または圧力が高い場合は突合せ溶接(BW)・ソケット溶接(SW)やフランジにします。ねじ接続はねじ部で管厚が削られて圧力強度が下がり、振動・温度変化で緩んで漏れやすくなります。ねじのシールはシールテープか液状シール材を使い、テープはねじの進む向きに巻き、巻きすぎるとかえって継手を割ることがあり、液状シール材は大口径・高温に有利です。圧力・口径が大きいほど、ねじより溶接・フランジが定石です。
スケジュール番号の正体とSTD/XS/XXS、そして腐れ代
スケジュール(Sch)番号は、おおよそ1000×P/S(P=使用圧力、S=許容応力)に基づく肉厚の等級なので、圧力が高いほど大きなSchが必要です。小口径ではSch 40 ≈ STD、Sch 80 ≈ XSとほぼ同じですが、大口径ではSTD/XSとSchが分かれるため、大きな管で両者を混用してはいけません。同じSchでも呼び径が大きくなれば絶対肉厚は増えます。また設計では、腐食・エロージョンで薄くなる分をあらかじめ加える腐れ代(通常1〜3mm)を肉厚に足し、その結果Schを一段上げる判断をします — 表の最小肉厚だけで選ぶと、寿命の途中で圧力強度が不足することがあります。
STEPファイルダウンロード
無料の3D CADモデル(STEP AP214)。実規格寸法に基づき、無料ライブラリの慣例どおりねじ山は簡略化(plain shank)しています。
よくある質問
スケジュール(Sch)番号の意味は?
スケジュール番号が高いほど肉厚が厚くなります。Sch 10(軽量)、Sch 40(標準)、Sch 80(高圧)。同一呼び径でSchが上がると内径が小さくなります。