すみ肉溶接 規格表

Fillet Weld KS Specifications — 1サイズ
KS B ISO 2553

二部材が直角または重なる箇所に三角形断面で肉盛りする溶接記号です。最も多用される溶接形態です。

実務上の注意点

  • 最も多く使用される溶接形態です。のど厚(a)= 溶接サイズ(s)× 0.7が基本計算式です。
  • T継手、重ね継手に使用します。応力集中を減らすにはビード止端を滑らかに仕上げてください。

KSFillet Weld

1 sizes
NameTypeSymbolDescriptionDimensionNote
すみ肉Fillet Weld△片面(a), (z)

主な特長

  • 直交する2部材エッジを三角形断面で接合、最も頻繁な溶接タイプ
  • のど厚(スロート)=脚長×0.7(等脚)、強度計算の基本寸法
  • 連続フィレット・断続フィレット・千鳥フィレット配置記号で溶接量最適化

主な適用分野

構造物ブラケット接合、補強板取付、パイプ-フランジ接合、機械フレーム、タンクノズル接続

詳細ガイド

脚長・のど厚・有効のど厚 — a=0.7s はどこから来て、いつ成り立たないか

直角・等脚すみ肉ののど厚 a は、溶接断面に内接する二等辺三角形の高さで、a = s/√2 ≈ 0.7s(s は脚長)から求まります。強度計算はこののど厚断面を基準とするため、図面が a(のど厚)で示しているか z または s(脚長)で示しているかを必ず区別しなければなりません — 同じ数値をのど厚と読むか脚長と読むかで断面積が約1.4倍(約40%)違い、強度が大きくずれます。0.7 の係数は等脚・直角のときだけ成り立ち、不等脚すみ肉や鈍角・鋭角の継手では実際の内接高さで計算し直します。深溶け込みの自動溶接は溶け込み分まで有効のど厚と認められ、a がより大きくなることがあります。

溶接記号の読み方 — 矢の側と反対側、基線の上/下(JIS Z 3021・ISO 2553)

すみ肉の三角記号が基線の下側に付いていれば矢印が指す面(矢の側)を、上側に付いていればその反対面を溶接します。両側に描かれていれば両面すみ肉です。上下を逆に読んで反対面を溶接するのは現場の代表的な誤読で、片側からのみ溶接する継手では致命的です。記号の尾には溶接法・脚長・その他の指示を記します。矢の側を基準とする ISO/JIS の規則は米国式(AWS)と上下の慣習が異なる場合があるため、図面がどの規格に従うかを先に確認します。

連続すみ肉と断続すみ肉 — 6-50@150 の表記と断続を禁じる箇所

断続すみ肉の表記 6-50@150 は、脚長 6mm、溶接長さ 50mm、ピッチ(中心間距離)150mm を意味します。両側の溶接を互い違いに配置すれば千鳥状の断続溶接です。断続は入熱を抑えて溶接ひずみ・溶接量・コストを下げるため、静荷重の構造物に適します。しかし断続ビードの始端・終端ごとに応力集中と疲労き裂の起点が生じるため、繰返し荷重を受ける部材や気密が必要な密閉タンク・圧力容器には連続すみ肉が必須です。腐食環境でも断続のすき間に水分がたまってすき間腐食が起こるため、連続のほうが安全です。

脚長の下限と上限 — 小さすぎても、薄板に大きすぎてもいけない理由

最小脚長は強度ではなく割れ防止のための下限です。厚い母材は溶接部の熱を急速に奪い(急冷)、ビードが固まる前に割れが生じるため、母材が厚いほど最小脚長を大きくして十分な入熱を確保します。逆に最大脚長は薄板の縁で決まります — 脚長が板縁の厚さに近づくと母材が溶け落ち(エッジの溶け落ち)、角が崩れます。そのため部材の縁に沿うすみ肉の最大脚長は板厚(薄板では板厚 − 1.5mm 程度)に制限します。つまり脚長は強度だけを見て大きくする値ではなく、急冷割れ(下限)と溶け落ち(上限)の間で決める値です。

欠陥と検査 — ルート間隔・アンダーカット・凸/凹とすみ肉ゲージ測定

見かけの脚長が大きくても強いとは限りません。ルート間隔(突き合わせ面のすき間)が開くと、表面は大きく見えても実際ののど厚が不足して強度が落ちます。入熱を過剰にして脚長を大きくすると角変形がひどくなり、ビード止端の母材がえぐれるアンダーカットや、止端が融合せずに重なるオーバーラップはいずれも疲労き裂源になります — ビード止端をグラインダで滑らかにすると疲労寿命が延びます。検査はすみ肉ゲージ(溶接ゲージ)をビードに当てて脚長とのど厚、そして表面が凸(convex)か凹(concave)かを測定します。凹ビードはのど厚が不足しやすく、凸が過大だと止端の応力集中が大きくなるため、やや平らか軽く凹の形状を目標にします。

よくある質問

フィレット溶接サイズ(脚長)はどのように決定しますか?

一般的に薄い方の板厚の0.7倍が基準です。例:t6板材→脚長約4mm。構造計算で必要強度を確認してから決定してください。

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