六角ナット 規格表

Hex Nut Specifications — 80サイズ
KS B 1012ISO 4032JIS B 1181DIN 934

六角ボルトと対で使用する最も基本的なナットです。スパナ・レンチで締結し、ほぼ全ての機械組立に使用されます。

実務上の注意点

  • ボルト強度等級に合ったナット等級を使用してください。8.8級ボルトには8等級以上のナットが必須です。等級ミスマッチではナットのねじ山が先に破断します。
  • ナット締め付け時にワッシャを必ず使用してください。ワッシャなしで締めるとナット座面が相手面に食い込み緩みの原因になります。

選定ガイド

六角ボルトと組み合わせる最も基本的なナットです。ボルトの強度等級に合ったナット等級を必ずマッチさせてください(例:8.8級ボルト→8級以上のナット)。1種(両面面取り)が標準で、高形(3種)は高い引張荷重に使用します。特殊ナットが不要な一般締結に使用してください。

Hex Nut 実物写真 KS B 1012 ISO 4032Hex Nut
Hex Nut 寸法図面 KS B 1012 ISO 4032
寸法図面

KSISOJISDINHex Nut

16 sizes

以下の寸法は KS B 1012 · ISO 4032 · JIS B 1181 · DIN 934 で同一です。

表の二面幅 B は DIN 934 系の値です。ISO 4032 は M10・M12・M14・M22 で異なります(16・18・21・34)。

NominaldPH (Height)B (Wrench)Other
M330.52.45.56.4
M440.73.278.1
M550.8489.2
M66151011.5
M881.256.51315
M10101.581719.6
M12121.75101921.9
M14142112225.4
M16162132427.7
M18182.5152731.2
M20202.5163034.6
M22222.5183237
M24243193641.6
M27273224147.3
M30303.5244653.1
M36364295563.5

主な特長

  • KS B 1012 / ISO 4032標準型、強度区分4〜12等級体系
  • スタイル1(両面面取り)・スタイル2(片面)・スタイル3(高型)分類
  • ボルト強度等級との適合必須(例:10.9ボルト→10等級ナット)

主な適用分野

汎用ボルト締結、機械組立、配管フランジ、構造物接合、設備固定

詳細ガイド

ナット強度区分の数字の意味 — なぜナットはボルトより強くなければならないか

ナットの強度区分(4・5・6・8・10・12)は、保証荷重応力を約100MPaで割った値です — 8区分のナットは座面に約800MPaの保証荷重に耐えるという意味です。設計原則は「ナットの保証荷重 ≥ ボルトの引張強さ」で、あえてナットをボルトより強くします。過荷重時にナットのねじ山がむしれるねじ山せん断(脆性的で前触れのない破壊)ではなく、ボルト本体が伸びる延性破壊が先に起こるようにして、破断を目に見える形にするためです。8.8ボルトに6区分ナットを使うと、ボルトが降伏する前にナットのねじ山が先にむしれ、定格の締付け力を発揮できません。

ねじのかみ合い長さとジャムナット(薄ナット)の正しい順序

標準1種ナットの高さ(約0.8d)は、鋼の母材でボルトの全強度を発揮させるよう設計された値です。ナットを使わずアルミ・軟鋼のタップ穴へボルトを直接ねじ込むときは母材が弱いため、かみ合い長さを1.5〜2d(アルミは2〜3d)に増やさないとねじ山が先にむしれます。ジャムナット(約0.5dの薄ナット)は単独締結用ではありません — 薄いジャムナットを下、メインナットを上に置き、メインナットをスパナで押さえたままジャムナットを逆方向に締めると、二つのナットのねじ山が互いに食い込んでロックが形成されます。ジャムナットを上に置くのはよくある誤りで、それでは緩み止め効果はほとんどありません。

緩み止め5方式の選定 — ロックナット・オールメタル・ダブルナット・セレーション・座金

緩みはトルクではなく横方向のすべりで進行します(ユンカーの機構)— だから環境に合った方式を選びます。ナイロンインサートロックナットは最も一般的ですが、ナイロンが約120°Cで軟化し、再使用は5回程度が限界です。高温ならオールメタルのプリベリングトルク形ロックナット、強い振動・繰返し分解にはセレーション付きフランジナット(座面の歯が相手面に食い込んで緩みに抵抗)、長さ・位置の微調整にはダブルナット、静的で振動が小さい所ならばね座金/平座金で十分です。平座金だけでは振動による緩みを止められないため、振動環境ではプリベリングトルク形やセレーションを使います。

二面幅(AF)の新旧規格の混同と面取りの向き — どの面が座面か

同じ呼びでも、旧DIN/JISと現行ISO 4032で二面幅(AF、対辺距離)が異なる場合があります — 例えばM12は旧規格19mm、現行18mmです。旧設備を整備する際、表だけを信じてスパナを選ぶと緩くて角をなめることがあるので、実測を勧めます。また2種(片面面取り)ナットは面取りの向きが重要です — 面取りのない平らな面が相手に当たる座面(ベアリング面)になるべきで、逆に取り付けて面取りの角が当たると接触面積が減り、応力集中と緩みが生じます。1種(両面面取り)は向きの区別がありません。

トルクと軸力のばらつき — 同じ区分でも摩擦係数で軸力が±40%振れる

締付けトルクの約90%はナット座面とねじ面の摩擦で消費され、実際にボルトを引く軸力には約10%しか伝わりません。そのため同じトルクでも表面状態で軸力が大きく変わります — ドライ・亜鉛めっき・二硫化モリブデン(MoS2)潤滑では同一トルクに対し軸力が30〜50%変動します。トルク表でよく使うナットファクターK=0.2はドライの鋼表面を仮定した値にすぎず、潤滑やめっき表面にそのまま使うと締めすぎでボルトが降伏することがあります。軸力が重要な継手はトルクだけに頼らず、回転角法(turn-of-nut)やボルトの伸び測定で補完します。

STEPファイルダウンロード

無料の3D CADモデル(STEP AP214)。実規格寸法に基づき、無料ライブラリの慣例どおりねじ山は簡略化(plain shank)しています。

ダウンロードM3.step
全規格・CAD使用法 →

よくある質問

ナットの等級とボルトの等級はどのようにマッチングしますか?

ISO 898-2基準:8.8級ボルト→8等級以上ナット、10.9級→10等級以上、12.9級→12等級以上。等級が低いナットを使用するとナットのねじ山が先に破断します。

1種ナットと3種ナットの違いは?

1種(両面面取り)が標準で高さ約0.8d(d=呼び径)です。3種(高型)は高さ約1.0dで、引張荷重が大きい箇所に使用します。

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