アイボルト設計 - 15kg以上の部品の吊り点

15kg以上の部品のリフティングポイント設計、重心計算、スポットフェーシング、ねじ込み深さ

アイボルトの設計は労働安全衛生規則 第475条(玉掛け作業)に直結する。JIS B 1168(アイボルト)には呼び径ごとの許容荷重(M8で0.16 t、M16で0.7 t など)が明記されているが、図面で深さや位置を指定しないと、現場では「とりあえずM10タップで足りるだろう」といった処理で済まされやすい。引張方向が水平から30°ずれるだけで許容値の約60%まで低下する点も、設計段階で意識すべき項目だ。

アイボルトを必ず設計に入れる重量しきい値

厚生労働省の作業基準では、成人男性の繰り返し人力運搬は約20 kg以下を推奨。設計側の目安として:

  • 15 kg超:アイボルト用タップを必ず設計
  • 軽量で重心位置がはっきりしない非対称部品:重量に関係なく2本以上設けてバランス確保
  • 使う製品はJIS B 1168品が標準。MRO系の汎用流通で入手できる。

重心の真上に1本、非対称なら2〜4本

3D CADの質量プロパティで重心(CoG)座標を出し、その真上にアイボルトを配置する。重心からずれると吊り上げた瞬間に部品が回転して、周囲作業者に重大な危険を及ぼす。長尺・非対称部品はアイボルト2本+天秤バランサーを推奨。

取付け面と引張方向の処理

  • スポットフェーシング:JIS B 0942相当の座ぐりで取付け面を平坦化。傾斜があると曲げ応力が入って許容荷重が激減。
  • 引張角度:JIS B 1168は荷重が軸方向のときの許容値。水平から30°斜めにかかると約60%、45°だと約50%まで低下するという計算が前提。
  • ねじ込み深さ:通常ボルトより保守的に D×2.0 以上。アルミ部品ならヘリサート(JIS B 1190相当)必須。
💡 安全設計の指針
アイボルトは作業者の安全に直結する。重量物の落下事故は、アイボルト位置と引張角度が適切に設計されていないケースで頻発する。重心計算と引張角度の二つを図面に明記しておくことで、事故リスクは大きく下げられる。
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