加工費を半分に減らす板金設計7つの原則

最小曲げR、穴-端面最小距離(≥2t)、曲げ線と穴の間隔、バリ方向、展開図寸法公式、溶接よりタップ+ボルト、材料歩留まり — 板金設計7大原則

板金設計は、汎用のパンチ・レーザー・ベンダー機での加工を前提に図面化するのが基本だ。JIS G 3141(SPCC冷延薄板)、JIS G 3131(SPHC熱延薄板)、JIS G 4305(SUS304板)の標準板厚(0.5・0.8・1.0・1.2・1.6・2.0・2.3・2.5・3.0…)に揃えると板取りコストが大きく下がる。制御盤や筐体設計では板厚を一段下げるだけで材料コストが10〜20%変わる場合があり、強度評価とコスト評価のバランス取りが設計の出発点となる。

最小曲げ半径(R)— 板厚以上

内R < t(板厚)だと外側にクラック。最小値の目安:

  • SPCC(軟鋼):R ≥ 1.0 t
  • SUS304:R ≥ 1.5 t(加工硬化が強い)
  • A5052アルミ:R ≥ 1.0 t、A6061-T6:R ≥ 2.0 t

穴〜端面距離 ≥ 2t、曲げ線〜穴 ≥ 2t + R

パンチング・レーザー加工時の変形回避のための寸法ガイドだ。曲げ線近くに穴があると涙滴状に変形するので、避けられない場合はリリーフスロットを追加する。各CAM/プログラムソフトのデフォルト基準もおおむねこの値を採用している。

バリ方向(JIS B 0701準拠で図面指定)

レーザー・パンチング加工はダイ側にバリ。曲げで表裏が反転するので、ガスケット面・手が触れる面は図面で明示する。

展開長の計算式(BA法)

L = A + B + BA、BA = (π/180) × 曲げ角度 × (R + K × t)

  • K係数:軟鋼 0.33、アルミ 0.33、SUS 0.4(経験値)
  • 主要な3D CADやCAM/ベンダー連携ソフトでもこのK係数を入力して展開計算できる。

溶接よりPEMナット・リベットナット

溶接は熱変形+後処理コスト大。代替:

  • PEMナット(クリンチングナット):板厚0.8 mm以上で固定可能
  • ブラインドリベットナット:表裏アクセスできない箇所
  • タップ+ボルト:分解・再組立可能

定尺板の歩留まり(ネスティング)

日本流通の標準板:4×8板(1219×2438)、メーター板(1000×2000)、3×6板(914×1829)。歩留まり70%未満なら部品分割を検討する。ネスティングソフトで事前に歩留まり計算しておくと、コスト見積もりの精度が上がる。

💡 板金設計の指針
板金設計者は「板厚と曲げ順を頭で描ける人」だ。3D CADが自動展開しても、現場のベンダー機の干渉まで読めなければ意味がない。紙を折って確かめる5分が、後工程の数時間を救うことがある。
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